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2023.10.16

「皇室と石川」展 金沢で開幕へ ― 国宝含む絵画、工芸120点展示 

皇室と前田家ゆかりの「源氏物語図屏風」(石川県立美術館で)

「いしかわ百万石文化祭2023」(国民文化祭、全国障害者芸術・文化祭)が〔2023年10月〕14日、開幕する。13日にはメイン行事「皇居三の丸尚蔵館収蔵品展」(紡ぐプロジェクト、読売新聞社など特別協力)の内覧会が、金沢市の 〔石川〕 県立美術館と国立工芸館で開かれた。皇室と加賀前田家のつながりを示す絵画や工芸品など、国宝8点を含む計約120点が披露される。

三の丸尚蔵館収蔵 前田家ゆかりの品々

第1会場となる県立美術館では、前田家が明治天皇に献上し、今年国宝に指定された「金沢本万葉集」や、皇族に輿こし入れした前田家の姫の婚礼調度と伝わる「源氏物語図屏風びょうぶ」など、皇室と前田家ゆかりの品々を紹介する。伊藤若冲の国宝「動植どうしょく綵絵さいえ」も県内初展示となる。

第2会場の国立工芸館では、工芸品を中心に展示する。1900年のパリ万博に出品された彫金家・海野勝珉しょうみんの「太平楽置物」は、彫金の技を駆使し、よろい武者の顔立ちや衣装の細部まで金属で写実的に表現している。金沢市出身の人間国宝で蒔絵まきえ師の松田権六が皇室のために作った飾り箱も県内で初めて展示される。

松田権六作の飾り箱(国立工芸館で)

13日に県立美術館で行われた記者発表で、国立工芸館の唐沢昌宏館長は「(展覧会で)日本文化の魅力を再発見し、皇室文化により親しんでいただければ」と述べた。展覧会は展示替えをしながら11月26日まで開催する。

(2023年10月14日付 読売新聞朝刊より)

■ 皇居三の丸尚蔵館収蔵品展 皇室と石川―麗しき美のきらめき―

【会期】2023年10月14日(土)~11月26日(日)
11月6日(月)は休館

【会場】石川県立美術館、国立工芸館(金沢市出羽町)

【主催】石川県立美術館、国立工芸館、いしかわ百万石文化祭2023実行委員会、宮内庁、文化庁、国立文化財機構

【共催】北國新聞社

【特別協力】紡ぐプロジェクト、読売新聞社、前田育徳会

【問い合わせ】石川県立美術館076・231・7580、国立工芸館(ハローダイヤル)050・5541・8600

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