幕末志士の中でもっとも著名な坂本龍馬(1836~67年)が実姉乙女に宛てた、通称「エヘンの手紙」で知られた書状です。龍馬の手紙は約130通が残されていますが、土佐国(高知県)の実家の姉乙女や兄権平などの家族に宛てたものが20通ほどと、多くあります。もっとも、これは現存する数による比較です。より関係性が深かったはずの妻おりょうへの手紙が1通のみである点や、その交流が人口に
幕末という流動的な時代の中で、ひときわ輝きを放ち、個性的な活躍で知られた龍馬ですが、親しい家族に宛てられた手紙には、人間性や面白さがにじみ出ており、特に自由奔放な字と表現が特徴的です。
皇居三の丸尚蔵館収蔵の手紙もこの点が顕著です。龍馬は土佐藩を脱藩し、1862年(文久2年)8月に江戸の千葉道場に寄宿し、12月には江戸幕府政事総裁職にあった前越前藩主松平
また、本文前半「海軍ををしへ
(皇居三の丸尚蔵館調査・保存課長 高梨真行)
ながさきピース文化祭2025
皇室の名品と長崎―皇居三の丸尚蔵館収蔵品展
【会期】 〔2025年〕9月14日(日)~10月19日(日)
【休館日】9月22日(月)、10月14日(火)
【会場】 長崎県美術館(長崎市出島町)
【観覧料】一般420円、大学生・70歳以上310円、高校生以下無料
【問い合わせ】095・833・2110
※「坂本龍馬書状(乙大姉宛)」は本展で通期展示されます
(2025年9月7日付 読売新聞朝刊より)
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