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2024.12.4

工芸品の魅力発信 ― 冨永愛さんと職人たちトークセッション

「職手継祭 2024 in 金沢~伝統文化を未来へ~」

工芸品の魅力を発信する「職手継祭 してつさい2024 in 金沢~伝統文化を未来へ~」が〔2024年〕11月8日、金沢市で開かれた。中部経済産業局の主催で昨年から始まったイベントで、今回は「Action!伝統文化」を掲げる読売新聞社と、「冨永愛の伝統 to 未来」を放送中のBS日テレが共催した。

石川県の伝統工芸に携わる職人らを招いた3部制のトークセッションが行われ、モデルの冨永愛さんが参加した回は、立ち見の観覧者が会場を埋めた。冨永さんは、同県白山市に伝わる織物「牛首紬うしくびつむぎ」を素材にした洋服を着て登場=写真=。「滑らかで優しい」と、着心地に満足していた。

洋服は、東京・表参道のブランド「MIZEN」が手がけた。代表の寺西俊輔さんは、エルメスのデザイナーだった8年前、パリの展示会で牛首紬に出合ったといい、「色の組み合わせのすごさに感動した」と振り返った。冨永さんは「日本人が日本の良さを再認識することが非常に大事だと思う」と話した。

輪島 再び被災も「頑張る」

輪島塗の関係者で作る「輪島の未来のために」(古込和孝代表)のメンバー6人が登壇した回では、能登半島地震で住宅兼工房が全壊した池端龍司さん(56)(漆器店「わじま龍作」代表)が「半年間倉庫で生活した後、やっと入れた仮設住宅が豪雨で水没した。でも、本人は元気で、これから頑張ろうと思っています」と力強く宣言した。

また、金沢はく製造の「箔座」と、加賀友禅を手がける「毎田染画工芸」の代表と若手社員は、伝統の継承に対する思い入れを目を輝かせながら語っていた。

(2024年12月1日付 読売新聞朝刊より)

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