岡山県瀬戸内市が購入した国宝の備前刀「太刀 無銘一文字(山鳥毛)」の特別陳列が9月10日、備前長船刀剣博物館(瀬戸内市長船町長船)で始まった。
山鳥毛は戦国武将の上杉謙信が愛用した名刀で、市がクラウドファンディングなどで集めた資金約5億円で購入し、今年3月に所有者から引き渡しを受けていた。 購入してから初の一般公開だが、新型コロナウイルス感染防止の観点から事前予約制としたため、初日の入館者は320人で、静かなスタートとなった。10月4日まで。
山鳥毛は2階の展示室中央部の、温度や湿度が管理できる専用のケースに陳列された。約1000万円かけ用意したケースは、四方がガラスで囲まれ、あらゆる角度から鑑賞できる。「3密」を避けるため、入館者は1時間40人に制限されており、入館者はじっくりと眺めたり、スマートフォンで撮影したりしていた。
東京から訪れた40歳代の女性会社員は「ゲームを通じて日本刀に興味を持った。刃文が素晴らしかった」と話していた。
入館にはホームページからの予約が必要。
(2020年9月11日読売新聞朝刊岡山県版より掲載)
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