仏教の法要や儀式で、花弁の形に切り抜いた紙などをまいて仏を供養する「散華(散華供養)」。その際に紙を入れて僧侶が携える器が
滋賀・神照寺に伝わった本品は、繊細かつ優美な作行と、まとまった数が伝来する作例として、我が国の金属製華籠の最優品とされる。
20世紀の初頭までは20面が神照寺に伝来していたが、のちに4面が寺外に流出し、そのうちの1面はハワイ・ホノルル美術館が収蔵している。
(京都国立博物館主任研究員 末兼俊彦)
【会期】9月12日まで。月曜休館。
【会場】京都国立博物館(京都市東山区)
【主催】文化庁、京都国立博物館、日本芸術文化振興会、読売新聞社
【問い合わせ】075・525・2473(テレホンサービス)
(2021年8月28日読売新聞京都版から)
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