近年の天候異変などへの憂い、未来の希望をひとつの形にし、鍛金技法と鋳造技法を使い制作しました。アクリルと金属の異素材のコラボにより、現代社会の複雑さを表現。足元は渦巻く不安と、五料で成り立つ日展の状況を示し、天上にはすばらしい未来への期待を表してみました。
相武常雄(1949- ) Aimu Tsuneo
愛知県生まれ。1975年東京藝術大学大学院美術研究科鍛金専攻を修了。日展を主体に活動し、2000年及び2003年特選、2017年文部科学大臣賞を受賞、日本現代工芸美術展でも受賞を重ねた。2019年岡田茂吉賞展大賞受賞。豊かな自然への回帰と未来への希望を念じて、鍛金による銅の緑青で祈りの姿態や神像を表し、また鍛金と鋳金の技法による造像にアクリルやガラス等の異素材を対照させることで多様な現代社会を表象する造形を現わしている。《新しい未来へ》は、鍛金と鋳造の技法による制作で、金属光沢のひとがたが頂く未来を象る銅の緑青形体とカラフルなアクリル盤とのコラボによって、複雑な現代社会のなかの希望をイメージしている。東京都小平市在住。
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