着物は文字通り着られることで作者が描こうとしたイメージは完成します。白と黒が交叉する立体感のある格子文様は、スパイラルになって身体を被い、緋色の空間は丸みを帯びてくるでしょう。
森口 邦彦(1941- ) Moriguchi Kunihiko
京都府生まれ。1963年京都市立美術大学日本画科を卒業後、フランスに留学してグラフィック・デザインを学び、画家バルチュスらと交流した。帰国して翌1967年から父・森口華弘のもとで本格的に友禅の作家活動に入った。伝統工芸を主体に活動し、日本伝統工芸展で1969年及び1973年に優秀賞を受賞した。伝統的な友禅を主に蒔糊の技法と花や自然の気象を幾何的に構成し優美な創作によって、着物という立体的な機能を持つ形態を明確にした独自の造形感覚を発揮している。2007年国の重要無形文化財「友禅」保持者。京都府京都市在住。
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