早朝にスケッチをしていた時、薄暗い中に、朝暘が枝の隙間から赤々と差し込み、清々しい空気の内に、非常に幻想的な美しい様が現れました。その情景を、釉薬の重ね掛けにより表現しました。
叶 道夫(1948- ) Kanō Michio
京都府生まれ。1971年京都市立芸術大学工芸科陶磁器専攻卒業。1983年六代清水六兵衞に師事。1974年ヴァロリス国際陶芸ビエンナーレ名誉大賞、1979年中日国際陶芸展外務大臣賞受賞。日展を主体に活動し、1990年及び1998年特選、2007年会員賞を受賞した。また日本新工芸展や中日国際陶芸展等でも受賞を重ねた。2000年三代叶松谷を襲名した。京焼の用の伝統美を継承するとともに、身近な小生物や自然の気象を生命のイメージとしてとらえ、手捻りで心象を抽象的に造形化し独自の碧や赤の釉薬を重ね掛けする制作を行っている。《赫周》は、木の間から差した朝の陽光が彩る形象の美しさに想を得て、独創の赫い釉薬2種の重ね掛けで微妙な光の演出を造形のイメージとしている。京都府京都市在住。
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