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2025.4.7

沖縄と韓国 宮中の舞共演 — 東京・後楽園の文京シビックホールで

組踊くみおどり宗廟祭礼楽そうびょうさいれいがく 

沖縄と韓国の宮中芸能が披露される特別企画「組踊くみおどり宗廟祭礼楽そうびょうさいれいがく―日韓宮中芸能の共演―」が〔2025年4月〕19日、東京・後楽園の文京シビックホールで開かれる。今年の日韓国交正常化60周年を記念し、国立劇場が主催する。

(上)披露される組踊「万歳敵討」(下)韓国の国立国楽院が披露する「宗廟祭礼楽」=いずれも国立劇場提供

組踊は、三線さんしんや歌などにのせて演じる歌舞劇で、琉球国王が任命される際に、清国の使節をもてなすために披露されていた。

上演されるのは、兄弟が旅芸人に姿を変えて、父の敵を追い詰める「万歳敵討まんざいてきうち」。一般的な作品では、感動的な場面や悲しい場面でスローテンポになり、複数いる歌三線のうち、1人が独唱することが多いが、この演目では全員で息を合わせて斉唱し、物語がスピーディーに進む。

国立劇場おきなわの芸術監督を務める金城真次さんは、「悲しみよりも緊迫感が重要視され、情感よりも勢いで押していく」と特徴を語る。兄弟の迫力のある踊りも見どころで、劇中、色鮮やかな紅型びんがたの衣装を身にまとった女形による優雅な舞もある。

一方、宗廟祭礼楽は、朝鮮王朝の国王の位牌いはいをまつった宗廟で行う祭礼で演奏される音楽と舞踊で、韓国の国立国楽院が伝承している。18種類の楽器とともに、約70人が舞台上で荘厳な音楽と舞を披露し、色彩豊かな楽器や衣装も見応えがあるという。担当者は「日本と韓国の文化の共通点や違いを比較しながら楽しんでほしい」と話している。

午後1時開演。☎0570・07・9900。

(2025年4月6日付 読売新聞朝刊より)

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