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2024.7.9

「親子の絆を表現」— 7月歌舞伎鑑賞教室

中村芝翫さん(左)と長男の中村橋之助さん

国立劇場主催の「7月歌舞伎鑑賞教室」が〔2024年7月〕5日、東京・住吉の公共ホール「ティアラこうとう」で幕を開けた。中村芝翫さんと長男の中村橋之助さんが、歌舞伎三大名作の一つ「義経千本桜」の「河連法眼館かわつらほうげんやかたの場」(通称「きり」)にダブルキャストで主演している。

2人は義経の家臣・佐藤忠信と、その忠信に化ける源九郎狐げんくろうぎつねを演じ分ける。芝翫さんは義経千本桜の主要な役である「平知盛とももり」「いがみの権太ごんた」は演じているが源九郎狐は初役となり、今回で「立役たちやくの卒業論文」と言われる3役を完演した。「親子の絆を物語として表したい。親子で見ても楽しんでもらえる」と語る。

一方、橋之助さんは2021年に1度、源九郎狐を勤めており、その時には尾上菊五郎さんの指導を受けた。その時に菊五郎さんから教わったことを「父に伝える」と笑顔で語った橋之助さんは、「わかりやすくて面白い。歌舞伎にハマる要素の多い演目です」と来場を呼びかけた。

ティアラこうとうでは12日まで上演し、その後、18~27日に東京・調布の調布市グリーンホールに会場を移す。(電)0570・07・9900。

(2024年7月7日付 読売新聞朝刊より)

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