
歌舞伎俳優の八代目尾上菊五郎さんが、各地の文化会館などを巡る全国公立文化施設協会主催の「松竹大歌舞伎」が〔2026年〕7月に行われる。昨春に襲名した八代目菊五郎さんの襲名披露公演で、世話物の名作「
河竹黙阿弥作の「魚屋宗五郎」は、大酒飲みのため禁酒していた魚屋の宗五郎が、奉公先で殺された妹の死の真相を知り、耐えかねて酒に手を出し、妹の無念を晴らそうとする。明治時代に五代目菊五郎さんが初演し、音羽屋(菊五郎家)が代々勤めてきた家の芸だ。「妹のために武家に物申す町人の意地や、失敗した人を見捨てない江戸の温かさが詰まっている」と語る。
「藤娘」は、藤の精が娘の姿を借りて、藤の枝を手にして踊る。祖父・尾上梅幸さんの当たり役で、「祖父の藤娘が私の目指すところ。
襲名からまもなく1年。「先人たちが築き上げてきた芸を受け継ぐということは、その精神や魂を受け継いでいくということだと思う。襲名してから、菊五郎という名前の重みや思いが強くなっている」と覚悟を明かした。
全国各地を回ることについては、「早起きして神社を巡ったり、お城を見たり、その土地の文化に触れるのが好きなので楽しみです」と笑顔を見せた。
襲名披露口上と舞踊「雨の五郎」もある。中村雀右衛門さん、片岡愛之助さん、坂東彦三郎さんらが出演する。7月7日に東京都北区で始まり、札幌市や岐阜市、徳島市などを経て、同31日の埼玉県秩父市まで、19会場で27公演を行う。
(2026年4月5日付 読売新聞朝刊より)
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