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2024.8.20

国立劇場主催の9月歌舞伎・文楽は「夏祭浪花鑑なつまつりなにわかがみ」(東京・初台)

「夏祭浪花鑑」に出演する(左から)坂東亀蔵さん、坂東彦三郎さん、片岡孝太郎さん

国立劇場主催の「9月歌舞伎公演」は〔2024年〕9月1~25日、東京・初台の新国立劇場中劇場で「夏祭浪花鑑なつまつりなにわかがみ」を上演する。大坂の夏の情趣に満ちた義太夫狂言の人気作で、坂東彦三郎さんが団七九郎兵衛を初役で勤める。7~22日に同小劇場で開かれる「文楽鑑賞教室」でも同じ演目が上演される。

油照りと言われるじとっとした蒸し暑さの中、高津宮こうづぐうの宵宮を背景に、団七ら侠客きょうかくと、その女房たちの心意気が描かれる。徳兵衛役の坂東亀蔵さん、徳兵衛の女房お辰役の片岡孝太郎さんも初役だ。

彦三郎さんは「座頭を勤めるのも初めてで、(出演依頼の)電話を受けた時、『団七は誰ですか』と聞いたほど」と明かした。「みんなの力を借りて座組を大きくしたい」と力を込める。孝太郎さんは「ニュアンスやちょっとした捨てぜりふを大切にしていきたい」と語り、亀蔵さんは立ち回りについて、「文楽の人形がするような動きはできないが、僕らは様式美として見せるように心がけたい」と意気込みを述べた。

文楽は「伊達娘恋緋鹿子だてむすめこいのひがのこ 火の見やぐらの段」も上演。(電)0570・07・9900。

(2024年8月17日付 読売新聞朝刊より)

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