四天王寺(大阪市天王寺区)が所蔵する国宝「扇面法華経」のうち、「巻第一」と「巻第六」の修理方針を話し合う専門委員会の初会合が6月24日、京都国立博物館(京都市東山区)の文化財保存修理所で開かれた。
「扇面法華経」は平安時代後期(12世紀)の作。装飾された扇形の冊子に、やまと絵で貴族や庶民の多彩な風俗が描かれ、法華経が写経されている。
委員会は四天王寺の主催で、研究者や文化庁の関係者ら約20人が出席。修理を担当する「岡墨光堂」(京都市中京区)の小笠原
今後の修理方針として、▽冊子を解体して1枚ずつに分離し、平らな状態で作業する▽雲母層、絵の具層、墨部分に剥落止めを行う▽再び冊子に仕立てる――といった作業内容を説明。専門家からは「冊子が1枚ずつ分離されるのは貴重な機会」との指摘があり、冊子のとじ方を研究し、記録することも確認した。
四天王寺の
(2022年8月12日付 読売新聞朝刊より)
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