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2022.4.28

特別展「最澄と天台宗のすべて」(京都会場)より<1>安産・子宝祈願、現在も…重要文化財「薬師如来立像」(京都・法界寺 真言宗醍醐派蔵)

重要文化財「薬師如来立像」 平安時代(11世紀) 京都・法界寺(真言宗醍醐派)蔵

京都醍醐の法界寺は、藤原氏一門の日野家の寺院で、もとは天台宗だったと考えられます。

この薬師如来立像は、11世紀の作で、日野家に伝わった最澄ゆかりの薬師如来小像を胎内に納めたと伝えられ、その姿は延暦寺根本中堂本尊に近いと考えられますが、素木に美しい截金きりかね模様を施した衣の表現は、当時の美意識を示します。

胎内に仏像がまつられていることから「乳薬師」と言われ、厳重な秘仏ながら、安産・子宝祈願に現在も信仰が絶えません。

(京都国立博物館 保存修理指導室長・大原嘉豊)

特別展「最澄と天台宗のすべて」(読売新聞社など主催)は、京都・東山七条の京都国立博物館で5月22日まで開催中(期間中、一部で展示替えあり)。問い合わせは075・525・2473(同館テレホンサービス)。

出品リストやチケット情報は公式サイトでチェック! https://tsumugu.yomiuri.co.jp/saicho2021-2022/

もっと知りたい「最澄と天台宗のすべて」

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