2022年度の「紡ぐプロジェクト」修理助成事業は、新たに重要な国宝や重要文化財など6件が対象に決まった。このうち京都・乙訓寺蔵の仏像を紹介する。
穏やかな顔立ちは平安時代後期の作にみられる特徴だ。その頃、京都を中心に活躍した仏師たちの作風を典型的に表している。
全身を覆う造立当初の彩色や文様は、今も良好な状態で残る。甲冑や衣の部分には、細く切った
ただ、像の各所で彩色が浮き上がり、表面はひび割れも進行中で、一部では
乙訓寺住職の川俣
2019年、専門家に調査、点検してもらったところ、背中の部分を中心に状態が悪く、「早急に修理の必要がある」と言われたという。
乙訓寺は平安時代、高僧の空海と最澄が初めて出会ったと伝わる
「修理の緊急性が認められて選んでいただき、驚くとともに大変感謝しています」と表情を緩めた。
(2022年1月9日読売新聞から)
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