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2024.4.22

【修理リポート】重要文化財「東妙寺文書」(佐賀・東妙寺蔵)― 巻物から1通ずつ保管へ

「紡ぐプロジェクト」22年度修理助成

修理担当者から説明を聞く早田住職(左から3人目)ら(福岡県太宰府市で)

紡ぐプロジェクトの助成事業で修理を進めている重要文化財「東妙寺文書」について、巻物から1通ずつ文書に分けての修理が終わり、〔2024年〕2月に九州国立博物館(福岡県太宰府市)で修理報告が行われた。

所蔵する東妙寺(佐賀県吉野ヶ里町)の早田空順住職(52)や、寄託先の佐賀県立博物館の学芸員らが出席。修理を担当した「修理工房 宰匠」(福岡県筑紫野市)の担当者が、文書として1通ずつに分けて汚れを取り、欠失部分を補った修理工程を説明した。

同文書は、14世紀前半の後醍醐天皇による綸旨りんじを含む、中世の文書を中心に、32通を3巻の巻物に仕立てている。調査・研究の際には毎回広げて巻き直す必要があり、傷みの原因にもなっていた。3月の文化審議会で、巻物から文書にしての保存が許可された。事業は来年〔2025年〕3月までで、新調する箱に1通ずつ保管する。

早田住職は「高い技術や知識による修理を施していただきありがたい。より良い保管方法も決まり、まずはほっとしています」と語った。

(2024年4月7日付 読売新聞朝刊より)

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