文化庁、宮内庁、読売新聞社による「紡ぐプロジェクト」は、2023年度に実施する修理助成事業の対象に、奈良・新薬師寺の国宝「薬師如来坐像」など7件を決めた。有識者でつくる選考委員会が公募の中から選定した。
大きく開かれた目が特徴的な新薬師寺の薬師如来坐像は、頭から胴体の体幹部分をカヤの一材から彫りだした一木造りで、奈良時代末から平安時代初期の作という。台座の虫食いなどが著しく、2年かけて亀裂部分の接合などの作業を行う。
このほか、国宝「智証大師関係文書典籍」(滋賀・園城寺蔵)、重要文化財では「薬師如来坐像」(京都・六道珍皇寺蔵)、「障壁画」円山応挙、長沢芦雪筆(和歌山・草堂寺蔵)、「十一面観音立像」院範、院雲作(京都・宝積寺蔵)、「仏涅槃図」(岡山・遍明院蔵)、「八瀬童子関係資料」(京都・八瀬童子会蔵)が選ばれた。新たに選ばれた文化財の詳細は後日、読売新聞で紹介する。
(2022年12月13日付 読売新聞朝刊より)