滋賀・
「智証大師関係文書典籍」は、平安時代の高僧・智証大師円珍(814~891年)が唐に渡る際の記録などが含まれ、2023年5月に国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)「世界の記憶」に登録された。
修理中は、奈良国立博物館の研究員らによる専門委員会が計7回開かれた。巻物の表紙や軸を解体したり、以前の修理で文書の裏側から当てられた裏打ち紙を外したりして詳しく調査したところ、文字をこすって消した跡や朱書きなどが見つかり、それらを保存できるよう、同委員会で修理方法について慎重に検討を重ねた。本紙の状態は安定しており、安全に取り扱えることから、新たな肌裏打ちは施さないこととした。
園城寺では、ほかの史料についても修理を続けており、
(2025年6月1日付 読売新聞朝刊より)
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