紡ぐプロジェクトの文化財修理助成事業で、浄瑠璃寺(京都府木津川市)所蔵の国宝「木造
その名の通り全部で9体ある九体阿弥陀は、平安時代後期の制作とされ、貴族たちの間で流行した浄土信仰を伝える貴重な文化財だ。修理は5か年計画で行われており、21年度は4年目となる。20年度には最も大きい「中尊」(高さ2.2メートル)の修理が行われた。
今回新たに運び出された2体は、9体のうち向かって右から4番目と7番目の如来像(高さ各1.4メートル)。いずれも漆地に
搬出の日は午前9時頃から、修理を担当する美術院国宝修理所の技術者ら約10人が作業を開始。佐伯
仏像本体のほか、像の背後にある光背や台座なども、それぞれ別々に保護しながら作業を進めた。
佐伯住職は「全部終わるまで5年という事業だが、いま半分を過ぎて(2021年度で4年目)、ようやくここまで来たなというのが正直なところ」と感慨深げ。「皆さんが一生懸命作業されている様子を見ていると、これで次の世代に送るメドが付きそうだなと安心感がわいてきた」と話した。
7月上旬には、20年度に修理が完了した中尊が浄瑠璃寺に戻り、本堂に安置される予定だ。
【20年度修理完了品から③】輝き戻った中尊~国宝「木造阿弥陀如来坐像」 | 紡ぐプロジェクト (yomiuri.co.jp)
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