鎌倉時代を代表する仏画で国宝の「阿弥陀二十五菩薩来迎図」(早来迎、13世紀後半~14世紀初頭、京都・知恩院蔵)の3年にわたる修理が24日、終了した。
阿弥陀如来が諸菩薩を従えて、往生を願う臨終の念仏者の元へ飛来する様子が、縦1.45メートル、横1.55メートルのほぼ正方形の大画面に描かれている。
修理は1934年以来で、紡ぐプロジェクトの助成で行われた。画面に亀裂が生じ、絵の具が一部剥落するなど、傷みが目立っていた。京都国立博物館(京都市)の文化財保存修理所に搬入され、光影堂(同市)が修理を担当。本紙(絵が描かれている絹)のすぐ裏側の肌裏紙の取り換えや、絵の具の剥落止めなどが行われた。
知恩院の前田昌信執事は「明るくなり、絵の力強さとスピード感が一層増し、うれしい限りです。さらに数百年、次世代に伝えていくという思いを新たにしています」と話していた。
(2022年3月25日付 読売新聞朝刊より)
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修理前の調査で分かったこととは…