2021.4.1

京都・大覚寺の国宝「後宇多天皇宸翰弘法大師伝」修理完了

文化庁、宮内庁、読売新聞社による「紡ぐプロジェクト」の文化財修理助成事業で、大覚寺(京都市右京区)所蔵の国宝「後宇多ごうだ天皇宸翰しんかん弘法大師伝(絹本)」(1315年)の修理が完了し、3月30日、京都国立博物館(同市東山区)の文化財保存修理所で関係者に報告された。

大覚寺の中興の祖で、仏法の興隆に尽力した後宇多天皇が絹本に書写した空海の伝記。多数の横折れが発生しており、絹や墨が欠けた部分もあった。1935年以来となった修理は昨年6月に始まり、絹地のすぐ裏側にある肌裏紙はだうらがみの取り換えや、折れを解消する作業などを実施した。

赤茶色の古い肌裏紙を除去し、絹地と同じ色調に染めた肌裏紙に交換したことから、文字が鮮明に浮かび上がった。大覚寺の岡村光真執行は「一文字一文字が語りかけてくるよう。本当にきれいになり、感慨もひとしおだ」と喜んだ。

(2021年3月31日読売新聞朝刊より掲載、読売新聞京都総局 持丸直子、写真部 長沖真未)

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