全国の特色ある食文化を支援する文化庁の「食文化ストーリー」創出・発信モデル事業に、10件が初採択された。調査研究やシンポジウム開催、人材育成といった取り組みに対し、国が最大で1000万円を補助する。
同事業は地方の過疎化や生活様式の洋風化などで担い手が減りつつある伝統的な食文化の継承を目指して、今年度から始まった。
採択事業の一つ「能登における発酵食文化」(石川県)は、イカの内臓を原料とした「いしり」や、カブとブリなどの魚を
「にし阿波地域の雑穀食」(徳島県)は、急傾斜地で稲作に適した土地が少ないことから盛んとなったソバやアワ・ヒエなどの雑穀栽培、それらを生かした郷土料理の発信を目指している。祖谷雑穀生産組合の杉平美和・組合長は「受け継がれてきた食文化の価値が認められてありがたい。伝統を残しつつ、子どもたちにも親しんでもらえるような、新たな雑穀料理の開発も目指したい」と話す。
(2021年10月3日付 読売新聞朝刊より)
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