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2022.10.28

「ポケモン×工芸」展2023年3月に国立工芸館(金沢市)で開催―人間国宝から若手まで20人がしびれる技を披露

人気ゲーム「ポケットモンスター」シリーズに登場する「ポケモン」と工芸がコラボした企画展「ポケモン×工芸展―美とわざの大発見―」が来年3月21日から金沢市の国立工芸館で開催される。同館は企画の狙いを「ポケモンを通して幅広い世代に工芸を知ってほしい」としている。

作家による斬新な「ポケモン解釈」に驚いて

一見意外な組み合わせに思える工芸とポケモン。だが、しばしば工芸は、外からの主題に刺激を受けて発展してきた。武士の庇護ひごを失った明治の作家が動物をかたどった工芸品の制作に乗り出した歴史などはその好例だという。

企画展では、人間国宝から若手まで20人の作家がポケモンを題材に挑んだ約70点が会場に並ぶ。

唐沢昌宏館長は「ポケモンと向き合うことで、改めて自らの技法を深掘りできるのかもしれない」と指摘し、「作家たちのポケモン解釈の斬新さに驚いてほしい」と展示内容に自信を見せる。

すべて新作の70点
吉田泰一郎《サンダース》2022年
©2022 Pokémon.
©1995-2022 Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc.
©2022 Taiichiro Yoshida
撮影:斎城卓

展示品は全て新作で、様々な素材や技法を駆使してポケモンの姿やフォルムを再構築した本格工芸がずらりとそろう。彫金作家の吉田泰一郎さんは、電気を操るポケモン・サンダースに挑戦。彫金の技術を駆使し、稲妻を思わせる逆立つ体毛を表現した。

小宮康義 《江戸小紋 着尺「ゲンガー・ゴースト」》2022年
©2022 Pokémon.
©1995-2022 Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc.
©2022 Yasuyoshi Komiya
撮影:斎城卓

染織作家・小宮康義さんが手がけた「江戸小紋 着尺『ゲンガー・ゴースト』」は、よく目をこらすと、ゲンガーや、ガス状のポケモン・ゴーストが見えてくる。ポケモンの造形を文様に落とし込んだ力作だ。

唐沢館長は「『古典』というイメージをもたれがちな工芸がポケモンによって親しみやすくなる」と企画意図を力説し、企画展を通じて「色んなものと結びついていける工芸の幅広さを感じてもらえれば」と期待を込めた。

会期は23年3月21日~6月11日。月曜休館。問い合わせは同館(050・5541・8600)へ。

主催 国立工芸館、NHKエンタープライズ中部、読売新聞北陸支社
特別協力 株式会社ポケモン
制作協力 株式会社NHKプロモーション

(2022年10月28日付 読売新聞朝刊より)

https://corporate.pokemon.co.jp/media/news/detail/277.html

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