読売新聞社と沖縄
参加者は、正殿の復元工事現場を訪ね、内閣府沖縄総合事務局と清水建設の担当者らから、首里城の内部構造や、復元に用いる資材の特徴、工程などについて説明を受けた。
被災した琉球漆器の修理に携わる技術者の土井菜々子さんからは、文化財修理は制作当時の姿に戻すのが目的ではなく、欠損なども含めて今の状態を保つことが原則だと説明を受け、「汚れは落としても歴史は落とさない」という姿勢を学んだ。
参加者の一人、沖縄県立首里高染織デザイン科1年の伊敷玲海さんは「工事の現場を間近で見学して、首里城復興への気持ちがより強まった。沖縄の伝統工芸の技法を学ぶのは貴重な経験だと、日々かみしめながら作品制作に取り組みたい」と振り返った。
部活動で首里城でのガイドを務めている沖縄・興南高2年の東内原輝空さんは「修学旅行生を案内する時、工事現場に入った時の経験や被災した美術工芸品について伝え、伝統文化や沖縄の魅力について広めたい」とした。
(2024年2月4日付 読売新聞朝刊より)
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