石川県能登地方の伝統工芸品「珠洲焼」を焼く

篠原さんの工房「
新しい窯は昨年〔2025年〕5~10月、全国からのべ100人以上が参加して作られた。県の補助のほか、伝統工芸の継承・再生に取り組むNPO法人「JapanCraft21」(京都市)からの寄付(2万5000米ドル)、個人からの義援金も受けた。新しい窯は縦横約1・7メートル、奥行き約4メートルで、5000個のレンガを使い鉄の補強も施した。

昨年12月25日には、新しい窯に初めて火を入れる「火入れ」が行われた。レンガから水分を抜き、窯の強度を上げる作業は、夜間も交代で火を絶やさず30日まで行い、アカマツの薪を約800束使った。最高1200度ぐらいまで徐々に温度を上げ、火を落としてからは自然冷却。1月8日に「窯出し」を行い、大きなつぼなど篠原さんの作品200点に加え、再建に携わったボランティアらが制作した花入れなど200点を取り出した。

篠原さんは「多くの人の気持ちがこもった窯なので、今回の火入れはとりわけ感慨深かった」と話す。今後は継承も狙い、珠洲焼を学ぶ人などにも窯を開放する予定だ。
平安~室町時代に盛んに作られた珠洲焼は、色やつやを出す
能登半島地震では自宅が半壊し、解体を余儀なくされた。珠洲市の仮設住宅で暮らし、今も困難な状況は続いているが前向きだ。「地震で新しい出会いがあったし、何が起きても引き受ける度量もできた。珠洲焼は奥能登の精神文化の象徴。窯の再建で復興の一助となりたい」
東京で鹿児島を中心とした九州の蔵元の焼酎が味わえるイベント「すっじゃ!地焼酎 in すみだ」が3月1日、錦糸町(墨田区)で開催される。今年は珠洲焼の焼酎カップを参加者のために用意する。
同イベントは錦糸町駅周辺の複数の飲食店(今年は10店舗)に蔵元のスタッフが待機し、参加者はカップを持って店を回り、各蔵元の話を聞き、自慢の焼酎を楽しむ。主催者が復興を少しでも支援したいと産地に話を持ちかけ、珠洲焼を学ぶ研修生が作ったカップを使うことになったという。
参加費は5000円(焼酎と珠洲焼カップの代金込み)。詳細はhttps://peatix.com/event/4756515で。

(2026年2月1日付 読売新聞朝刊より)
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