7月24日に京都国立博物館で開幕する特別展「京の国宝―守り伝える日本のたから―」の報道内覧会が7月23日、同館で開かれた。
文化庁、宮内庁、読売新聞社が連携して取り組む「紡ぐプロジェクト」と政府の文化プログラム「日本博」の一環。藤原道長の直筆日記である国宝「御堂関白記」や、世界的に名高い俵屋宗達筆の国宝「風神雷神図屏風」など、京都ゆかりの国宝や皇室の至宝をはじめとした120件を展示する。
本展はもともと昨年に京都市京セラ美術館での開催が予定されていたが、新型コロナウイルスの影響で1年延期され、会場も京都国立博物館に変更された。これに伴い、展示内容を再構成し、「京都―文化財の都市」「皇室の至宝」など全4章からなる構成とした。
このうち、宮内庁三の丸尚蔵館が所蔵する絵巻「春日権現験記絵」は、今月、文化審議会から国宝に指定するよう答申があったばかりの作品。皇室の至宝が「国宝」として出展されることになり、注目を集めそうだ。
また、文化財を後世に守り伝えるために欠かせない修理や防災といった「文化財保護」にもスポットを当てる。昭和5年の火災による焼損から修理を経て重要文化財に再指定された京都・東寺の「木造四天王立像」の腕や手首などを展示し、文化財と防災の重要性について考える。
7月23日の記者発表会で、同館の松本伸之館長は「逸品ぞろいの展示であると同時に、地道な文化財保護の活動によって作品が私たちの目の前に残されていることにも焦点をあてている。ぜひ注目してほしい」と話した。
会期は9月12日まで。入場は事前予約優先制で、観覧料は一般1600円、大学生1200円、高校生700円。会期中に展示品の一部は入れ替わる。問い合わせは京都国立博物館(075・525・2473)。
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