「いしかわ百万石文化祭2023」(国民文化祭、全国障害者芸術・文化祭)が〔2023年10月〕14日、開幕した。メイン行事「皇居三の丸尚蔵館収蔵品展」(紡ぐプロジェクト、読売新聞社など特別協力)をはじめとする幅広いイベントに、多くの人が足を運んでいる。
しいのき迎賓館(金沢市)で開かれたオープニングセレモニーでは、読売書法会幹事などを務める書家の阿部豊寿さん(45)が、文化祭のテーマ「文化絢爛」の4文字を黒いボードに金色でしたためた。続いて馳〔浩〕知事が「石川の文化を披露し、さらに発展させていきたい」とあいさつし、開幕を宣言すると、来場者は一斉に風船を空に放った。
同市の〔石川〕県立美術館と国立工芸館で開幕した「皇居三の丸尚蔵館収蔵品展」には朝早くからたくさんの人が訪れ、皇室や加賀前田家ゆかりの逸品に見入っていた。二つの会場に、国宝8点を含む計約120点が並んでいる。
特に、皇族に輿入れした前田家の姫の婚礼調度と伝わる「源氏物語図屏風」や、彫金家・海野勝珉が鎧武者を金属で写実的に表現した「太平楽置物」が来場者の目を引いた。
加賀市から訪れた荒谷敏秀さん(80)は「展示品を通して、皇室と前田家の深いつながりを知ることができた」と満足そうに語った。
また工芸館に近接する県立歴史博物館では、名古屋城や二条城の室内装飾など約100点を展示する特別展「御殿の美」が始まった。江戸後期に活躍した絵師・岸駒が荒々しい虎を描いた「松虎図」など、迫力ある障壁画の数々が並ぶ。
「豪華絢爛な展示品に圧倒され、思わず見入ってしまった」。〔石川県〕野々市市から来た主婦の飯田美枝さん(44)はこう話し、感心した様子だった。
(2023年10月15日付 読売新聞朝刊より)
■ 皇居三の丸尚蔵館収蔵品展 皇室と石川―麗しき美の
煌 めき―
【会期】2023年10月14日(土)~11月26日(日)
11月6日(月)は休館【会場】石川県立美術館、国立工芸館(金沢市出羽町)
【主催】石川県立美術館、国立工芸館、いしかわ百万石文化祭2023実行委員会、宮内庁、文化庁、国立文化財機構
【共催】北國新聞社
【特別協力】紡ぐプロジェクト、読売新聞社、前田育徳会
【問い合わせ】石川県立美術館076・231・7580、国立工芸館(ハローダイヤル)050・5541・8600
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