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2023.12.6

【皇室ゆかりの品々 次代へ・三】「皇室のみやび」展・第2期 ― 明治宮殿飾った美術工芸 

近代皇室を彩る技と美(2024年1月4日~3月3日)

皇室は1000年以上もの間、みずからが和歌や書などの「作り手」となって時代の文化を育むとともに、貴重な文化財を守り、継承する役割を担ってきた。収集の歴史は古く、奈良時代、聖武天皇ゆかりの品々を納めた正倉院宝物にさかのぼる。紙や絹など脆弱ぜいじゃくな素材で作られたものが、今に伝えられている例は世界でも珍しい。皇室ゆかりの品々を収蔵する「三の丸尚蔵館」が、宮内庁から国立文化財機構に移管され、新しい施設でオープンした。開館記念展「皇室のみやび―受け継ぐ美―」を来年〔2024年〕6月まで4期に分けて開催、国宝はじめ皇室が守り伝えた日本の美を紹介する。

明治、大正、昭和天皇の御所として使われていた明治宮殿を飾った美術工芸品は、当時の著名な作家が最高の技術で制作したものばかりだ。即位など皇室の慶事にあたって作られた。

重要文化財「蘭陵王置物」 海野勝珉
1890年(明治23年)
「色絵金彩菊貼付香炉」 十二代沈壽官
1893年(明治26年)

色絵金彩菊貼付香炉いろえきんさいきくはりつけこうろ」は、明治期を代表する製陶家・十二代沈壽官ちんじゅかんが宮内省の発注を受けて制作した。立体的に形作った菊を貼り付け、精緻さが際立つ。

「銀製御髪ブラッシ」 鴻池美術店
20世紀(明治~大正時代)

(2023年12月3日付 読売新聞朝刊より)

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