江戸東京博物館(東京都墨田区)は、6月20日まで開催予定の特別展「冨嶽三十六景への挑戦 北斎と広重」(6月1日から再開)をオンライン形式で楽しめるバーチャルツアーを公開した。
日本を代表する浮世絵の名作、葛飾北斎の「冨嶽三十六景」をはじめとした作品を360度、会場にいるかのような臨場感で味わえる。それぞれの作品に付いているマークをクリックすると、作品の詳しい解説も読める。
冨嶽三十六景は、青を使った鮮烈な色彩と大胆な構図で人々に強い衝撃を与えた。このとき、北斎は70歳を超えていたが、長い画業の中で不断の努力を重ねていたという。
一方、歌川広重はこのころ30歳代。風景画を描くも、ヒット作のない一介の浮世絵師にすぎなかったという。今回の特別展では、そんな広重も驚きを持って見たであろう「冨嶽三十六景」シリーズの大ヒットの陰で、広重がどのように自らの画風を打ち立てていったのかも探る。
これまでも北斎と広重の富士シリーズを展示する展覧会は開催されてきたが、今回はより踏み込んだ解釈により、風景画で双璧をなす北斎と広重の挑戦をストーリー展開で浮き彫りにする試み。一挙展示となる「冨嶽三十六景」全46図を含む作品はすべて「江戸博コレクション」だ。
浮世絵史を語る上で見逃せない貴重なコレクションを通じて、二人の浮世絵師の挑戦のあゆみを名品とともに紹介している。
今回公開されたバーチャルツアーは、政府の文化芸術プログラム「日本博」を契機とする文化資源コンテンツ創成事業の一環で作成された。今後、バーチャルツアー限定のコンテンツも随時追加していくという。公開期間は2022年3月末まで。
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