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2021.5.15

北斎と広重、臨場感あふれる展示 江戸博がバーチャルツアー

館内を巡っているような臨場感が楽しめる

江戸東京博物館(東京都墨田区)は、6月20日まで開催予定の特別展「冨嶽三十六景への挑戦 北斎と広重」(6月1日から再開)をオンライン形式で楽しめるバーチャルツアーを公開した。

「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」 葛飾北斎/画
天保2~4年(1831~33年)頃 江戸東京博物館蔵

日本を代表する浮世絵の名作、葛飾北斎の「冨嶽三十六景」をはじめとした作品を360度、会場にいるかのような臨場感で味わえる。それぞれの作品に付いているマークをクリックすると、作品の詳しい解説も読める。

■風景画の双璧
「新板浮絵忠臣蔵 第十一段目」 葛飾北斎/画
享和末~文化初(1803~1806)頃 江戸東京博物館蔵

冨嶽三十六景は、青を使った鮮烈な色彩と大胆な構図で人々に強い衝撃を与えた。このとき、北斎は70歳を超えていたが、長い画業の中で不断の努力を重ねていたという。

一方、歌川広重はこのころ30歳代。風景画を描くも、ヒット作のない一介の浮世絵師にすぎなかったという。今回の特別展では、そんな広重も驚きを持って見たであろう「冨嶽三十六景」シリーズの大ヒットの陰で、広重がどのように自らの画風を打ち立てていったのかも探る。

「冨嶽三十六景 凱風快晴」 葛飾北斎/画
天保2~4年(1831~33)頃 江戸東京博物館蔵
「冨嶽三十六景 深川万年橋下」 葛飾北斎/画
天保2~4年(1831~33)頃 江戸東京博物館蔵

これまでも北斎と広重の富士シリーズを展示する展覧会は開催されてきたが、今回はより踏み込んだ解釈により、風景画で双璧をなす北斎と広重の挑戦をストーリー展開で浮き彫りにする試み。一挙展示となる「冨嶽三十六景」全46図を含む作品はすべて「江戸博コレクション」だ。

浮世絵史を語る上で見逃せない貴重なコレクションを通じて、二人の浮世絵師の挑戦のあゆみを名品とともに紹介している。

「東海道五拾三次之内 庄野 白雨」 歌川広重/画
天保5~7年(1834~36)頃 江戸東京博物館蔵

今回公開されたバーチャルツアーは、政府の文化芸術プログラム「日本博」を契機とする文化資源コンテンツ創成事業の一環で作成された。今後、バーチャルツアー限定のコンテンツも随時追加していくという。公開期間は2022年3月末まで。

公式サイトはこちら

https://www.edo-tokyo-museum.or.jp/

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