日本の陶芸文化の歴史をひもとく、ドキュメンタリー映画「陶炎~400年を辿る旅~(仮題)」の撮影が進んでいる。朝鮮の陶工にルーツを持ち、日本で独自の陶磁器文化を発展させてきた人たちの姿を追う。〔2023〕年内の劇場公開を予定している。
約420年前、豊臣秀吉の朝鮮出兵の際、朝鮮から日本に連れてこられた陶工たち。こうした陶工の一人を始祖とするのが「薩摩焼」の沈家だ。映画では、十五代沈壽官さん (63)(鹿児島県日置市)をはじめ、西日本各地の窯元や、韓国の陶芸家らのインタビューを中心に、伝統の技法がどのようにして守られ、発展してきたのかを描く。
撮影にのぞんだ沈さんは、「日韓の歴史には良かったことも、悲しいこともあった。だからこそ、薩摩焼が、両国が友情で結ばれるための一つの軸になれればと思っている」と話す。
松倉大夏監督(44)は、「400年もの間、途絶えることなく陶芸の伝統を引き継いできた家族の物語を撮っていく。日韓の歴史と文化への理解が深まり、両国の友好を考えるきっかけとなるような作品にしたい」と意気込みを語る。
今作を企画、制作する「スモモ」(東京)では現在、制作費などの一部をクラウドファンディングで募っている。
(2023年2月22日付 読売新聞朝刊より)