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2021.12.15

伝統の技 勢ぞろい―文化庁「日本の技フェア」開催

貴重な文化財を未来に継承するための卓越した技術を紹介する、文化庁主催の「日本の技フェア」が11月20、21日、東京都内で開催された。

屋根瓦葺(本瓦葺)が実演された

出展したのは、国の「選定保存技術」に認定されている34団体。建造物や美術工芸品などの有形文化財、歌舞伎や邦楽、沖縄の伝統芸能「組踊くみおどり」など無形文化財の保護に欠かせない、材料・道具の製作や修理技術が一堂に披露された。

2020年12月に国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録された「伝統建築工匠こうしょうの技」を構成する技術(14団体)が勢ぞろい。ひのきの皮を釘で打ち止めて屋根を成形する「檜皮葺ひわだぶき」、風雨対策の一環で軒の反りや屋根の微妙な曲線を葺き上げる「屋根瓦葺(本瓦葺)」、ヤリかんななどの伝統的な道具で柱などを仕上げる「建造物木工」のコーナーでは、職人による実演が行われた。

ほかにも浮世絵の木版画や、三味線や琴、琵琶などの弦楽器の糸に使う原糸の製造の様子などが公開された。来場者は、日本美を守り伝える繊細な技術を感嘆した様子で見学していた。

(2021年12月8日付 読売新聞朝刊より)

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