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2022.10.3

茶文化の深遠vol.7―塗師 十三代 中村宗哲さん

平安から鎌倉時代にかけて中国から伝わった喫茶法は時代を経て徐々に和様化し、豊臣秀吉に仕えた茶人・千利休に至って、独自の文化「茶の湯」が大成されました。江戸時代には利休の子孫である三千家さんせんけの家元に茶道具を納める10の職家しょっか千家十職せんけじっしょく」が京都で技を磨きました。これらの家を訪れて歴史と仕事について尋ねました。

漆道具は入念な下地作りから…十三代 中村なかむら宗哲そうてつさん(57)
十三代 中村宗哲さん=河村道浩撮影

武者小路千家にゆかりの深い中村家は、千利休が好んだ形や塗りの「利休形」の茶道具を制作するほか、代々の千家家元の好みに応じた道具を作っている。

手がけるのはなつめや香合、懐石料理のおわんなど、茶席の漆の道具全般。何百年たっても狂いなく使えるように、漆の上塗りを施す前の下地作りに何年もかける。

「お茶会で先祖の道具に出会えると、うれしくなります。ずっと先を考えたものづくりをしなければと」

棗の制作過程を説明する中村さん
中村宗哲さんの作品「松鶴蒔絵大棗」
中村宗哲さん作「曙桜溜大棗」「雲錦糸目食籠」(左から)

先代である母は千家十職で初の正式な女性当主。膨大な仕事をこなす母の隣でいつも手伝った。母が2005年に亡くなり、翌年、塗師ぬしとして後を継いだ。母と同じく、自身も3姉妹。7日から東京・日本橋三越本店で妹の陶芸家・四代諏訪すわ蘇山そざんさん(52)と二人展を開く。

(2022年9月4日付 読売新聞朝刊より)

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