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2023.8.9

人間国宝・十四代今泉今右衛門さんらと日本工芸を語らう「夏は夜」 都内料亭で開催

美しい工芸品を展示・販売 「Action!伝統文化」の一環

陶芸や漆芸などの伝統工芸作品が並んだ会場(東京都港区で)

重要無形文化財保持者(いわゆる人間国宝)をはじめ伝統工芸作家の作品を紹介する「人間国宝と伝統工藝こうげいに触れ、食し、語らう四季めぐり~夏は夜~」が〔2023年〕7月21日、東京都港区の料亭・有栖川清水で開かれた。

読売新聞社が進める伝統文化振興プロジェクト「Action!伝統文化」の一環で、西武ホールディングスと連携した催しの第1弾。プリンスホテルの会員向けに特別に企画され、約20人が参加した。

作家自らが参加者に展示作品を解説する

MOA美術館(静岡県熱海市)の内田篤呉館長の監修で、人間国宝らの陶芸や漆芸などの伝統工芸作品約110点を展示、販売した。美しい工芸作品が並ぶ“美術館”となった会場で、参加者は、作家から直接説明を聞きながら、じっくりと出品作品を鑑賞した。

使う人を念頭に

内田館長、いずれも人間国宝の室瀬和美さん(蒔絵まきえ)と十四代今泉今右衛門さん(色絵磁器)によるトークショーでは、今泉さんが「工芸作品は、形や紋様がきれいなだけではなく、使う人のことをいかに考えて作るか。作り手のわがままで作っちゃいけない。それがすごく大切なこと」と、美術品とは異なり、使う場面を念頭に作る日本の工芸作品の特徴を強調した。

人間国宝らが伝統工芸について語り合ったトークショー

室瀬さんは、5月に広島市で開かれた先進7か国首脳会議(G7サミット)で、首脳の家族に蒔絵体験をしてもらったエピソードを披露し、「日本の文化に対して、こんな素晴らしいものをどうやって今後保存していくのか、後継者はどうやって育てているかなど、興味を持って質問いただいた」と、日本の伝統工芸が海外でも価値を認められ、高い評価を得ている現状を紹介した。

(2023年8月6日付 読売新聞朝刊より)

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