日本語には、「月」にまつわる美しい言葉が数多くあります。「望月」「十五夜」「名月」――。月の満ち欠けを用いて暦を数えていた古来の人々にとって、暮らしと月は密接につながっていました。
名月をめでる習慣は、平安時代に中国から伝わりました。美しい月を眺めつつ、詩歌や管弦を楽しむ、
毎日が忙しく過ぎ、四季の移ろいを感じることの少ない現代。江戸時代の人々にならって、季節ごとのしつらいを取り入れてみたいものです。中川政七商店では「しつらいはじめ」と題し、時代が巡り、生活様式が変化していく中で、今の暮らしの中に取り入れられるよう、季節のお飾りをはじめ、手拭いやタペストリーを作っています。
五穀豊穣を祝い、実りを感謝する祭りとして今に伝わる「十五夜」。そんな風習をより気軽に楽しんでいただけます。
下段の四つの団子はイチョウ製。一番上の月に見立てた団子は、香川県の伝統工芸「讃岐かがり手まり」で仕上げました。まりの芯には、
団子の後ろには、ススキに見立てた飾りをあしらっています。水引の産地、長野県飯田市の「大橋丹治株式会社」とともに作ったもので、華やぎを添えました。日本の工芸技術がそこここにいかされたお月見飾りは愛らしく、そして
季節の一場面を切り取った小さな箱飾りです。手績み手織りの麻生地を使い、満月の枯れ野に一匹の
今年の中秋の名月は9月13日。たまにはゆっくりと月を眺めて、心豊かなひとときを過ごしてみませんか。
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