10月6日に開幕する特別展「桃山―天下人の100年」には、家康をはじめ、徳川将軍家ゆかりの名刀を収めた刀装「黒漆打刀」2口も初公開される。
2口は徳川将軍家の伝家の宝刀「本庄正宗」と、家康から紀州徳川家・頼宣に伝わった太刀「長船長光」の刀装。いずれも刀身は戦後、連合国軍総司令部 (GHQ)に供出され、行方不明だ。
東京国立博物館の酒井元樹主任研究員によると、打刀は本来、下級武士用の実用的な刀装。黒漆の鞘などは質実な作風で家康好みだが、つばなどの刀装具は室町後期から権力者に仕えた名家・後藤家の細工という。
酒井研究員は「家康の用いた打刀は力強さを感じさせる質実な仕立てが特徴だが、この刀装の金具は、意匠をそろえた格調の高い、精緻なもので統一している点が珍しい。『上品な力強さ』が家康の理想の刀装かもしれない」と話している。
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