胡弓の演奏を披露した川瀬露秋さんに、出演の感想などを聞きました。
「胡弓は一般の方にはあまり馴染みのない楽器かもしれません。今回のように多彩な伝統芸能を紹介する公演で、演奏させていただけたことはとても嬉しいです。地歌「雪」は(本来は)長い曲ですが、それぞれの伝統芸能を短くまとめてお楽しみいただくのはすごく良い試みだと思います」
――他ジャンルとの共演で得られたこと、それをどう生かしたいですか。
「一つの伝統芸能には他の様々なジャンルが関係しています。諸説ありますが、例えば胡弓は、楽器が琉球芸能から、音楽が能楽や歌舞伎から影響を受けたとも言われています。日本の伝統芸能は海外に比べて特に種類が豊富だと聞きますし、多彩なジャンルのなかで自分の芸能の特色を継承することが大切ですよね」
――プロジェクションマッピングなどのデジタルアートとの共演についてはいかがでしたか。
「デジタルアートとの共演は初めての体験でした。普段の舞台とは違い、新しい演出を加えてみるのも面白いと思います。演奏している音楽は古典曲だったので、現代的なアート作品を通じて、古典の魅力が多くの人に伝われば嬉しいです」
――日本の伝統芸能の魅力とは?
「伝統芸能は心を豊かにすることができると思います。例えば「雪」の合方には、切ない女性の胸中が表現されています。お芝居では、雪の降る場面で用いられますが、人のこころや豊かな自然が一曲の中に織り込まれているのも一つの魅力です」
――海外の方にどう伝えたいですか。
「最近、映像で日本の文化を発信する取り組みが広がっていますが、やはり生(ナマ)の魅力をお伝えしたいですね。上演する会場には、舞台の緊張感やお客様の雰囲気など、その場にいてこそ体感できる感動があると思います。様々なメディアをきっかけにして、ぜひ劇場・ホールへ足を運んでいただきたいです」
日本博特別公演「日本の音と声と舞」は、NHK総合で19日13時50分~14時58分に放送する。また、民放公式テレビポータル「TVer(ティーバー)」で19日まで配信中だ。詳しくは日本博公式ツイッター(https://twitter.com/jpculturalexpo)で。
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