今年、没後60年にあたる
波山(本名・嘉七)は、1872年(明治5年)、茨城県真壁郡の下館城下(現・筑西市)に生まれ、東京美術学校(現・東京芸術大学)で高村光雲に彫刻を学んだ。石川県の教員を経て、1903年(明治36年)に、東京高等工業学校(現・東京工業大学)で
12年(大正元年)には、のちに波山の代表的な技法として知られる「
高い芸術性と技術が評価され、24年(大正13年)の皇太子・裕仁親王と良子妃のご成婚、28年(昭和3年)の昭和天皇の即位の礼など、皇室の慶事が続く中で、波山は各所からの依頼で献上品の制作にあたった。
この頃、波山は東洋陶磁の最高峰である中国の
本作「葆光白磁
中国の伝統的な吉祥文様である枇杷が選ばれ、波山が得意とした
(宮内庁三の丸尚蔵館研究官 芳澤直之)
◇皇室と近代の陶磁 三の丸尚蔵館名品展
【会期】9月16日(土)~12月10日(日) 月曜と9月19日、10月10日は休館。9月18日、10月9日、11月13日は開館
【会場】茨城県陶芸美術館(茨城県笠間市)
【主催】茨城県陶芸美術館、宮内庁
【特別協力】文化庁、紡ぐプロジェクト、読売新聞社
【問い合わせ】0296・70・0011
(2023年9月3日付 読売新聞朝刊より)
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