仏画家・鈴木
空如は東京美術学校(現・東京芸術大学)研究科を修了。1907年頃から金堂壁画の模写を始めた。36年までに数十回にわたって法隆寺を訪れ、照明設備のない中、古色を吟味しながら全12面の模写絵3組を完成させた。金堂壁画は49年の火災で焼損したため、空如の模写は文化的な価値が高い。
空如の生誕150年を記念し、世界遺産登録30年を迎えた法隆寺の協力を得て、模写作品の所有者であり、空如の出身地である秋田県大仙市が主催した。展示しているのは1936年に63歳で完成させた3組目の模写絵全12面。
展示を監修した有賀祥隆・東北大学名誉教授(仏教美術史)は「空如の模写絵は研究者の間で非常に高く評価されている。高さ3メートルを超える大作で、とても精密なものだ。12面のほかに部分図も展示している。貴重な機会なので多くの人に見てもらいたい」と話している。
入場無料。〔2023年11月〕18日まで。
(2023年11月4日付 読売新聞朝刊より)
0%