竹の特性として繊細差と強靭差が代表される。竹を手にして10年過ぎた頃に、竹の素材感が伝わる作品の制作に取り組み、独自の技法を考案しました。内側の編みを繊細にして、外側に編む竹材を少し野性的に感じる様に表現してみました。
藤沼 昇(1945- ) Fujinuma Noboru
栃木県生まれ。竹工芸を志望し、1976年八木澤啓造に師事して基礎的な技法を学んだ。伝統工芸を主体に活動し、日本伝統工芸展で1986年及び1992年優秀賞を受賞した。2000年アメリカのロイド・コッツェン・バンブー賞グランプリを受賞し、以降にロサンゼルスやシカゴ等で活動して竹工芸の国際的な普及に貢献した。竹の繊細さと強靭さを活用した精緻な網代編みや束編み、根曲竹を束ねた荒編みの制作等を中心に、生に結びつく「気」のエネルギーを主題とする創作を現わしている。2012年重要無形文化財「竹工芸」保持者に認定。2019年岡田茂吉賞展特別賞受賞。栃木県大田原市在住。
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