加工しにくい素材ですが、仕上がると美しく、落ち着いた色合いの作品に仕上がります。叩きながら、美しく仕上がることを思い想像しながら制作を続けました。鎬ぎを立てたりすると割れたりするので気を使いました。外側は鎚目打ちに、内側は磨き仕上げとしました。
田口 壽恒(1940- )Taguchi Toshichika
東京都生まれ。1959年東京都立工芸高等学校金属工芸科卒業後、江戸時代から伝統の技を受け継いだ父・田口恒松に師事して鍛金を修業した。伝統工芸を主体に活動し、日本伝統工芸展で1984年優秀賞、1996年奨励賞を受賞した。特に渋い光沢の朧銀を中心に、巧妙な鎚打と滑らかな稜線を作り出して、簡明で重厚な質感をもつ鍛金の造形で高い評価を獲得した。2006年重要無形文化財「鍛金」保持者認定。東京都文京区在住。
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