作品名「ダイ/台」のダイは英語で死を、台は台形を意味しています。大地にどっしりと根ざしたこの形は生を表しています。生と死、心の明暗など、生きていく上で避けられない二つの事柄を中心でクロスさせる事で象徴的に彫り上げました。相対するものを人は抱えながらも力強く生きている、台形の形そのものでそれらの事柄を表現しました。作品の仕上げは、天草陶石の美しさをそのまま感じていただきたいという思いと、彫りによるエッジに落ちる陰影を際立たせたいという思いから無釉で仕上げています。
和田 的(1978- ) Wada Akira
千葉県生まれ。2001年文化学院陶磁科を卒業し、上瀧勝治に師事した。伝統工芸を主体に活動し、2010年東日本伝統工芸展で受賞、2017年日本伝統工芸展で優秀賞を受賞した。2007年文化庁新進芸術家海外特派員として渡仏。2011年パラミタ陶芸大賞展大賞を受賞、2017年にタカシマヤ文化基金タカシマヤ美術賞、伝統文化ポーラ賞奨励賞、菊池ビエンナーレ大賞と受賞を重ねた。既存の機能と伝統的な形態ではなく、ロクロ素地を削り出した線・面による構造とそこに映る白い陰影とによって、現代的な感覚の白磁造形を表わしている。2019年国立新美術館「未来を担う作家たち 21st DOMANI・明日展」招待出品。千葉県佐倉市在住。
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