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2020.9.6

【作家が語る】佐々木苑子―工藝2020出展作品から

紬織絵絣着物つむぎおりえがすりきもの 「花天月地」かてんげっち
佐々木 苑子 2005年 W・D・H:136・-・173cm (個人蔵)【染織】

1989年の初冬(11月)に獅子座流星群が北の空に33年ぶりに出現した時のこと。漆黒の夜空に長く尾を引く巨大火球と星々が光り輝くのを見上げていた。その神秘に沈黙を強いられ永遠の時の流れに漂う私の命の鼓動が唯一無二に思われた。

佐々木苑子(1939- )Sasaki Sonoko
東京都生まれ。桑沢デザイン研究所卒業後、1965年ころから静岡、鳥取、島根等で織紬の技術を学び、1969年織物工房をかまえた。伝統工芸を主体に活動し、日本伝統工芸展で1975年及び2001年、2003年優秀賞受賞を重ねた。天然染料を用いた絵絣を基調に、繊細かつ現代的な感性を発揮して、自然の気象に映る微妙な光の色や階調の糸を駆使した、陰影やうつろいを具象あるいは抽象的な絣織の制作としている。2005年重要無形文化財「紬織」保持者認定。《紬織絵絣着物 花天月地》は、遥か宇宙の彼方から来たしし座流星群の輝く光と、それに照らされた月と自然・大地の生きる鼓動への感動を表している。東京都杉並区在住。

工藝2020の出展作品一覧・関連記事はこちら

「工藝2020」開催概要や日時指定チケットの情報は公式サイトで

https://tsumugu.yomiuri.co.jp/kogei2020/

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