夏の終わり、池の周りで盛期を過ぎた水辺植物(ガガイモ)の花、花茎、葉の模様等の様子が大変おもしろく、作意を得ました。
井隼慶人(1941- ) Ihaya Keijin
京都府生まれ。1967年京都市立美術大学工芸科染織専攻科修了、蠟染の小合友之助や型染の中野光雄の指導を受けた。日展を主体に活動し、1987年及び1993年特選、2016年会員賞、2019年文部科学大臣賞と受賞を重ねた。京展や日本新工芸展、染・清流展等でも活躍した。蠟染を基調に水生の植物や風景といった身近な自然に主題をとり、大胆に構成された強い色彩と装飾的な染色を展開させて、その情緒ある生命感や躍動感を現している。《晩夏の池》は、水生の植物の枯れゆく褐色の輝きと新生の緑の創意を得て、自然の心象を自らの巧妙な意匠とした。滋賀県大津市在住。
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