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2025.6.5

歌舞伎鑑賞教室 6月は「土屋主税」

東京・荒川区役所前のサンパール荒川で〔2025年6月〕4日に始まる国立劇場主催「6月歌舞伎鑑賞教室」は、赤穂浪士の討ち入りを巡る「土屋主税ちから」を上演する。土屋主税を中村扇雀せんじゃくさん=写真右=、赤穂浪士の大高源吾を中村錦之助さん=同左=が勤める。

赤穂浪士をとりまく周辺の人たちに焦点を当てた「忠臣蔵外伝」の一つ。吉良邸の隣に住む旗本の主税は、赤穂浪士の源吾が詠んだ句に隠された真意を察し、吉良邸から聞こえる乱闘の物音に喜び勇む。

扇雀さんの曽祖父・初代中村鴈治郎がんじろうが定めた家の芸「玩辞楼がんじろう十二曲」に数えられ、東京の劇場で上演されるのは35年ぶり。扇雀さんは「お客さんが自分以外は見ていないくらいのオーラを出せないと初代に近づけない。リアルタイムでドラマが進む面白さを感じていただければ」と語る。

錦之助さんは「主税がかっこよく作られている作品。周りの役者は、主役をよく見せるために大変だが、そこに芝居の面白さがある」と語った。

21日まで。上演前には、市川青虎せいこさんによる演目の解説がある。14日は大人向け、20日は外国人向けの公演もある。☎0570・07・9900。

(2025年6月1日付 読売新聞朝刊より)

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