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2024.3.5

春爛漫 文楽の楽しみ ― 伊豆長岡温泉で「ひらかな盛衰記」

特別にしつらえた舞台で「ひらかな盛衰記」が披露された

人形浄瑠璃文楽の公演を泊まりがけで楽しむ「春爛漫らんまんプレミアム文楽~源氏ゆかりの地で浸る歴史浪漫ろまんの旅~」が〔2024年〕2月18日、「伊豆長岡温泉 三養荘」(静岡県伊豆の国市)で開かれた。読売新聞社と西武ホールディングスが連携して進める「Action! 伝統文化」の一環で、プリンスホテルの会員や一般客ら合わせて約50人が文楽を堪能した。

伊豆の国市は、源頼朝が平家打倒のために挙兵した地といわれ、源平合戦ゆかりの「ひらかな盛衰記」から「神崎揚屋の段」を上演した。傾城けいせいの梅ヶ枝が、恋人に一途いちずに尽くす姿を人形遣いの吉田勘彌さんや語りの豊竹呂勢太夫さんらが演じた。

人間国宝で截金きりかね作家の江里佐代子氏の作品「峰光」が舞台背景を彩り、花を添えた。

公演後には、人形遣いや三味線の技芸員によるワークショップを開き、人形を3人で息を合わせて動かす方法や、三味線は太夫の語りを効果的に演出する役割を果たしていることなどをわかりやすく解説した。翌朝には、「お見送り」する文楽人形を参加者が遣ってみる体験会も行われた。

文楽を初めて鑑賞した人が多く、「舞台に引き込まれ、感動で鳥肌が立った」「普段の公演では、ここまで演者の皆さんと交流したりすることはできないので、貴重な体験だった。ぜひ劇場での文楽公演も見にいってみたい」などの感想が聞かれた。

(2024年3月3日付 読売新聞朝刊より)

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