外国人の入国制限が緩和されたことで来日がかない、現在は読売理工医療福祉専門学校(東京都文京区小石川)で学んでいるアジアの留学生15人が、同校の隣にある宝生会春日教室で日本の伝統芸能「能」の謡や歩き方などを体験した。
能楽や茶道など伝統文化のカルチャーセンターとして昨年、複合施設「文京ガーデン」内にオープンした同教室と、留学生を多く受け入れている同校が隣同士となった縁から、同教室の講師で宝生流シテ方能楽師、辰巳満次郎さん(63)が声をかけて実現した。
14日に行われた体験教室では、中国、ベトナム、マレーシア、カンボジアなどから来日した留学生たちが、白足袋をはいて能の初体験に臨んだ。満次郎さんから「足袋はなぜ左足からはくのか」「歌ったり踊ったりすることは元々、神様を楽しませるものだった」といった説明を受けた後、すり足で動いてみたり、祝儀曲の能「高砂」の一節を謡ったりした。
昨年、タイから来日して同校でIT技術を勉強しているラウ・デンドンさん(23)は「テレビなどで見たことはあっても、実際に体験すると迫力があって奥深いものを感じた。『高砂』は独特の謡い方が楽しくて、古い日本語の良さもあると思いました」と滑らかな日本語で話していた。
(2023年1月25日付 読売新聞朝刊より)
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