先祖の霊を迎えるお盆行事「六道まいり」が〔2024年8月〕7日、〔京都市〕東山区の六道珍皇寺で始まった。参拝者らは、故人を呼び寄せるとされる「迎え鐘」を次々と打ち鳴らした。10日まで。
平安時代に埋葬地だった鳥辺野の麓に位置する寺は、冥界の入り口とされ、先祖の霊がこの地を通って帰って来ると信じられてきた。
参拝者は、故人の霊が移ると伝わる高野槇の枝を露店で買い、冥界まで音が響くとされる鐘をつき、手を合わせた。迎えた霊は五山の送り火(16日)で旅立つという。坂井田良宏住職(77)は「コロナ禍を経て、皆が命の尊さを思い知らされた今、先祖を迎え入れ心から供養する機会にしてもらいたい」と話す。
期間中、今年約130年ぶりに修理を終えた同寺の重要文化財「木造薬師如来坐像」も公開される。拝観は無料で、午前6時~午後10時。
(2024年8月8日付 読売新聞朝刊より)
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