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2024.3.7

「技を極める――伝統工芸が伝えるメッセージ」展 東京で3月20日から

四代田辺竹雲斎さん Photo by Yuya Hoshino

重要無形文化財保持者(いわゆる人間国宝)と、次世代を担う若手作家による作品を展示する「技を極める――伝統工芸が伝えるメッセージ」が、〔2024年〕3月20日から24日まで、東京・北の丸公園の旧近衛師団司令部庁舎で開かれる。陶芸や染織、漆芸、金工、木竹工、人形など、多様な伝統工芸の分野から計16点を展示する。

竹工芸家・四代田辺竹雲斎さん

竹の模様 人々の多様性

 

大作が注目を集めそうなのが、竹工芸家の四代田辺竹雲斎ちくうんさいさん(50)だ。

出品作「五大虚空」は、高さ1.46メートルに及び、「三本縄目」と呼ぶ技法を駆使して竹ひごをねじりながら編み、何千本も使って作り上げた。

素材には高知県産の黒竹を用いる。黒竹は自然に色づいた黒色が特徴だ。一本一本模様が異なる黒竹を人々の多様性と重ね合わせる。「五大虚空」は20代の頃から追求してきたテーマで「万物の循環の中に私たちが存在する」というメッセージを表現しているという。

さまざまな竹を編み上げて作品に仕上げる
Photo by Tadayuki Minamoto

大阪府堺市で明治時代から続く竹工芸の家に生まれ、幼少期より竹に触れていた。東京芸大卒業後、父の三代田辺竹雲斎に師事した。伝統的な工芸品にとどまらず、巨大な展示空間をいかしたインスタレーションなど竹を用いた多彩な作品を制作、国内外で活躍する。これまで約30か国で個展を開催し、各国の文化に触れながら、表現や技を深めてきた。近年は、デジタル技術を導入し、異分野のアーティストとの共同作業で竹を生かした作品に取り組んでいるという。

「竹雲斎の技術や思想を継承しつつ、時代に合うものを作る。竹の可能性を最大限引き伸ばしたい」と新たな作品作りに意欲を見せている。

令和5年度文化庁首都圏伝統工芸技術作品展等開催事業
 「技を極める――伝統工芸が伝えるメッセージ」

【会期】2024年3月20日(水・祝)~24日(日)
【会場】旧近衛師団司令部庁舎(東京・北の丸公園)
【観覧料】無料
【主催】読売新聞社
【協力】公益社団法人日本工芸会

人間国宝の室瀬和美さん(蒔絵まきえ)と十四代今泉今右衛門さん(色絵磁器)によるトークセッション(23日午後2時)、四代田辺竹雲斎さんと博多人形師・中村弘峰さんのトークセッション(24日午後2時30分)などを開催。

展覧会について詳しくはこちら
https://kogei2024.com

(2024年3月3日付 読売新聞朝刊より)

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