2022.11.1
全国から踊り手が集う
風流踊は衣装や道具に趣向を凝らし、歌や笛などの
ほかに、京都市内各所で伝承されている六斎念仏、空海(弘法大師)ゆかりの雨
無形文化遺産の登録には、国内で保護体制が取られていることが必要となる。各地で盆踊りなどは広く行われているが、中でも、今回は国の重要無形民俗文化財に指定され、地元で保存会などが活動している41件に絞られた。このうち、チャッキラコ(神奈川県三浦市)は、2009年にユネスコの無形文化遺産に登録済みで、政府はこれに新たに40件の踊りを追加。華やかで人目をひく「風流」の精神を体現した「風流踊」とグループ化して提案した。
いずれも江戸時代以前に由来を持つ踊りが多く、各地で厄払いや死者供養、豊作などを祈る行事として発展してきた。過疎化や少子化など時代に応じて変化しながら、現在まで伝承されている。今回の提案では、特に災害が多い日本で、被災地域の復興の精神的基盤となるなど、文化的・社会的な意義を強調している。
日本の無形文化遺産はそのほかに能楽や歌舞伎、和食、和紙などがあり、チャッキラコを含め、現在22件が登録されている。
◆無形文化遺産とは…建築物など有形の文化財や自然の地形などを守る「世界遺産」に対し、無形の芸能や儀式、社会的慣習などを保護対象とする制度。2003年のユネスコ総会で保護条約が採択され、現在、世界で530件が登録されている。「風流踊」が登録されれば国内では20年の「伝統建築
(2022年11月1日付 読売新聞夕刊より)
「風流踊」
岩手県 永井の大念仏剣舞、鬼剣舞
秋田県 西馬音内の盆踊、毛馬内の盆踊
東京都 小河内の鹿島踊、新島の大踊、下平井の鳳凰の舞
神奈川県 チャッキラコ(※)、山北のお峰入り
新潟県 綾子舞、大の阪
山梨県 無生野の大念仏
長野県 跡部の踊り念仏、和合の念仏踊、新野の盆踊
岐阜県 郡上踊、寒水の掛踊
静岡県 徳山の盆踊、有東木の盆踊
愛知県 綾渡の夜念仏と盆踊
三重県 勝手神社の神事踊
滋賀県 近江湖南のサンヤレ踊り、近江のケンケト祭り長刀振り
京都府 京都の六斎念仏、やすらい花、久多の花笠踊
兵庫県 阿万の風流大踊小踊
奈良県 十津川の大踊
島根県 津和野弥栄神社の鷺舞
岡山県 白石踊、大宮踊
徳島県 西祖谷の神代踊
香川県 綾子踊、滝宮の念仏踊
福岡県 感応楽
長崎県 平戸のジャンガラ、大村の沖田踊・黒丸踊、対馬の盆踊
熊本県 野原八幡宮風流
大分県 吉弘楽
宮崎県 五ヶ瀬の荒踊
※「チャッキラコ」は2009年にユネスコ無形文化遺産に登録済み
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