9月3日に開幕した東京・半蔵門の国立劇場「9月文楽公演」に出演している4人の人間国宝、豊竹咲太夫(太夫)、鶴沢清治(三味線)、吉田和生(人形遣い)、桐竹勘十郎(同)が記者会見し、建て替えにより来年10月末に閉場する同劇場への思いを語った。
咲太夫は「(1966年の)こけら落とし公演で咲太夫の(改名)披露をしました。今日まで56年、この劇場に育てていただいた」としみじみ語る。和生は「最初の頃はお客さんが少なかったが、一時期からよく来ていただけた。頼まれて、僕が1時間前に並んで当日券を取ったこともあります」と笑顔で振り返る。
9月文楽公演は「初代国立劇場さよなら公演」の幕開けとなる。7年後に開場予定の新劇場について、清治は「(初代は)僕らにとってやりやすい劇場で、音の響きがとても好き。これに近いものを」と希望。勘十郎は「古典芸能といえども、色々な舞台機構を付けていただけたら。(再開場時に)僕は76歳ぐらいですが、何とかこけら落とし公演に出たい」と語った。
9月文楽公演は20日まで。
(2022年9月6日付 読売新聞夕刊より)
9月文楽公演公式サイトはこちら
https://www.ntj.jac.go.jp/schedule/kokuritsu_s/2022/4911.html
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